まずは、やっぱりこれっでしょ。スプレーガン!
この道具はメンテナンスが悪いと、かなり痛い目をみることになります。
目詰まりなんて論外で、外側のボディーもキレイにしておかないとホコリ等が
付着しやすくなり(塗装中はホコリは大敵!)せっかく色々気を使っても
被塗物にもっとも近づくガンから色ボコリが落ちて、塗り直しなんてことにも。。
ちなみに、ここで言うホコリとはの空気中に漂っている微細なチリの事です。
DEVILBISS JGXi-502
現在メインに使っているのがこのガン。
JGX-502をベースに塗着効率を高めたLVMPガンです。
口径は1.4でエアキャップは上位機種のGTiと同じ物を採用してます。
もともとJGX-502を使っていたので、このガンは手に馴染むのもお気に入り。
ソリッド/メタパール/クリアー用に3丁使い分けてます。
DEVILBISS JGX-502
デビと言えばこれでしょ!ってくらいスタンダードなガンです。
見習い時代に先輩が使っていたのを真似して購入して以来、ずっと愛用してました。
ちなみに写真は自分が一番最初に買ったスプレーガン!塗着効率の問題で今は殿堂入りです。

※塗着効率※
普通スプレーガンから噴射される塗料は、粒子を細かくする為に高いエアー圧と共に
噴射されますが、そのせいで大多数は跳ね返り対象物には付着せずにミストとして大気中に
放出されてしまうのです。この不効率は大気汚染や材料費の増大に直接繋がるので、
塗着効率の良いガンが今の主流になっています。ガンに流れる空気の量や圧を研究して、
低いエアー圧でも塗料を微粒子化できる技術革新と言ったとこです。

IWATA LPH-100-LVG
世界のイワタさんのスプレーガン。こちらも塗着効率を高めたガンです。
手元に付けているのはエアーの圧を目で見て調整できるバルブで、これが無くても
ガン本体で圧の調整は出来るしプシューって音で大体わかるんですが、
一度使うとその便利さに、ほとんどのガンに今は取り付けています。
DEVILBISS GTi
ブルーのアルマイトボディーに握りのデカイこのガンは、ウチでは主に
キャンディーコートに使用してます。GTiの横カップ仕様は珍しいんじゃないかな?
僕はセンターカップのガンってダメなんですよ、だからSATAは好きじゃないの。
ちょっと工夫すれば真下からも吹けるんだろけど、慣れてないから嫌なんです。

ただこのガンは重いんだ!塗料を目イッパイ入れると2kg弱にもなります!
これでクルマ一台塗ると、ちょっとした筋トレになりますよ。
XXXX
色んなパーツを組み合わせ作ったオリジナルのガン。
このガンの用途はずばりフレーク塗装。フレークの粒子はとても重く直ぐに沈殿
してしまう為、塗料カップの中を攪拌して粒子を均一化する様になってます。
常にカップを垂直にする必要があるのでフレックスジョイントカップを使用し、
大きい粒子も出る様に、ノズル/ニードル共大きい口径のモノをセットしてあります。
広い面積をフレーク塗装する場合は、重宝する1丁です。
IWATA LPH-50
こちらもイワタのミニガン、細かい粒子が低い圧で出るのがお気に入りの1丁。
口径は0.6でスプレーガンとしては最小クラスになります。
これ以上小さい口径のモノはエアーブラシ(ハンドピース)の部類に入ります。
小面積のタッチアップやグラデーションを入れるとき等に重宝する1丁です。
IWATA W-100
ちょっとお疲れ気味なこのガンは、サフェーサー等の下地塗料専用ガンです。
高粘度塗料も吹けるよう1.8口径仕様にして、
汚れやすいカップはインナーをテフロンコートした物を使用してます。
【道具箱】
作業をするのに絶対必要な大切な相棒、それが仕事道具です。
どんな業界でも大抵の人は道具を大切に扱ってると思います。
だってこれが調子悪いと思うような結果が得られなかったり、
余計な失敗をしたりと、ロクな事ないですから。

特に僕らみたいな職業は、フィーリング良く作業する事が結果を左右したりする事もあるので、
作業環境や道具のメンテにはそれなりに気を使ってます。

そんな小道具達のご紹介です。
【作業環境/仕事道具への考え方】
IWATA W50-124BPG
イワタのミニガンで小さいながらに1.2口径と160mmのパターン開度が
様々な用途に使える便利な1丁です。ちょっとした物ならこれ一つで
塗装できます。うちでは結構使用頻度の高いガンですね。
【エアーブラシラック】
上でご紹介したスプレーガンよりも、さらに細かいペイント作業を行う場合に
登場するのがこのエアーブラシラックです。
6丁のハンドピースが収まるホルダーやペイントカラー、その他一箇所にまとめてあると
便利なツールや小道具が収めてあり、キャスター移動可能なお手製キャディーです。
フリーハンドでの文字書きやライン入れに使う専用の筆です。
一本/数千円と高価なうえ一度コンデションを崩すと使い物にならなくなってしまうので
メンテナンスと保管には色々と気を使っています。
当方では塗装作業前にブース内を水洗い洗浄してカーテンや床に付着した
ホコリ等も排除して、可能な限りのクリーンルーム化を図っています。
ブースの性能や効果については工場設備をご覧ください。
スプレーブースメンテナンス

そんな優秀な塗装ブースですが使用環境が苛酷な為、使っていく間に
本来の性能が出せなくなるので定期的なメンテナンスが必要になります。
塗装品質環境性能
本日は定休日。
日ごろ頑張ってお疲れ気味のブースを労わる日にします。
まずは、排気フィルターの掃除と、排気面の汚れ防止シートを剥がすところから始めましょ。
給気エアーは2つのフィルターを介してろ過されます。
これはその一次フィルター、右が要交換品で左が新品のモノです。
一次フィルター交換完了!
お次は二次フィルターの交換です。
フィルター自体に粘着性が有り、一次フィルターを通り抜けた微細な塵を
ここで最終的に吸着して、クリーンな空気をブース内に送り込むのです。
当方のブースには静電気を除去する為の装置がついているので、こちらもメンテナンスします。
塗装環境において静電気はホコリや異物を吸寄せる目に見えない厄介者なのです。
静電気除去装置と二次給気フィルターもリフレッシュ!!
排気面の汚れ防止シートを貼り直します。
だらしない格好ですが、本日は休業日。日曜日のお父さんみたいなテンションで
作業しているので、大目にみてください(礼)
照明器具の窓も汚れを落として照度UP!
お次は床のリフレッシュに取り掛かります。
床にこびり付いた塗料や排水グレーチングに溜まったゴミを取り除きます。
汚れをゴシゴシ落としたら、エポキシ系のフロアー塗料をコロコロします。
塗装環境は明るい方が良いので(トラブルを見つけやすい)
こうして反射照度を上げてやるのです。
完成!
丸一日かけてきれいサッパリ再生したスプレーブース。
使用頻度にもよりますがウチではこんな感じのメンテナンスを
年1回程度する事で、高品質な塗装環境を維持しています。

消耗品も特殊な専用品なので結構なコストが掛かりますが、
これでまたいい仕事をしてくれるのなら決して高くはないのです。


【スプレーブース】
塗装作業中の最大の敵は、大気に含まれる微細なホコリやチリ、塗料ミストなどです。
それらを効率良く除去/排出する為の設備が塗装ブースです。
作業環境の整備や道具の手入れ等も大切な仕事の一つだと考えています。

塗装の場合、作業環境/設備/使用材料/作業者のスキルなどの全ての条件が揃って
初めて高いレベルの結果が得られるのだと思います。
【筆】