【RZ】
今や旧車の仲間入りを果たした2ストの名車YAMAHA RZのレストアペイントのご紹介。
才能あるファッションクリエータさんからのRock'n' Rollなオーダーです。

それにしてもウチのお客さんってクリエイティブなご職業の方がホント多いです(驚)
以前、他所でペイントオーダーしたものの、
仕上がりに満足できずに当方に持ち込まれたタンク&テールカウル。
下地処理/技術レベル/仕上がりへのコダワリ、確かに現状色々と問題有りですね。
お金払って納品時にガッカリなんて、双方にとって悲しい結果だと思うのですが。。

実はウチに入って来る仕事の約3割が今回の様なケースですが、さすがに今回のは酷いです。
オーナーさんが二度と同じ嫌な気分を味わぬ様、ウチはビシっと仕事させてもらいます。

明らかに下地のトラブルが表面に上がってきているので、今回は総剥離します。
剥離はどんな場合でも必要な作業と言う訳では有りませんが、
現状塗膜の信頼性の低い場合や経年劣化で各所に錆が浮いている場合等、
その品の状態に応じた処理を施す様にしています。
タンクをサンディングしてみるとパテがこんもりと盛ってあります。
しかも、かなり深いキレツが入ってるし。。。。
ブラスト処理で完全に剥離してみるとボッコリへコミが現れる訳です。ん〜。。
樹脂で出来たテールカウルも完全剥離。
そして現れたのが熱可逆性樹脂(熱で溶ける品)の割れやカケを補修する為の無数の電熱ピン。
電熱ピンは優れた補修機材ですが、使い方次第ではその場しのぎになってしまうようです。
ボッコリへコミも板金作業である程度元の状態まで鉄板を引き出します。
樹脂性のテールカウルは電熱ピンを増し埋めし、更に溶着処理を行い強度の有る修理を施します。
剥離によって地金が露出したタンクは、そのままにしておくと酸化が始まるので下地塗料を塗って
防錆/密着処理を施します。そして熱管理の行き届いた乾燥室でキッチリ乾燥させればもう安心!
更に細かい修正を行っていきます。塗装屋の仕事はスンゴイ地味な作業の連続です。
多くの工程の積み重ねで一つの作品に仕上がっていくので、どの工程も手(気)は抜けません。
只今調色作業。
ペイント色は塗装においてとても重要な要素ですよね。
オーナーさんの趣味趣向がもっとも現れる箇所なので、毎回頭を悩ませられます。
調色と最終の下地処理を終わらせ、ベースとなる色の塗装まで終わりました。
ぱっと見黒に見えますが、実は深〜い○○なんです。
ベース色のペイントが十分に乾燥したら、グラフィックラインを入れる為のマスキングを行います。
持ち込まれた時はデカール(ステッカー)をクリアーコートしてある仕上げでしたが、
色の自由度や完成度を考え、今回は全てペイントで入れる事になりました。
手間と時間と神経が必要なペイントも無事に終え、仕上げの磨き作業を終えればこのとおり。
長い道のりを経て、やっと完成!
深〜い茶色にアイボリーと2色のゴールドを使ったグラフィックライン。
デカール時は曖昧だったライン先端もオーナーさんの不満の一つだったので、
今回はこれでもかっ!って位に尖らせてあります。
YAMAHAのロゴもグラフィックラインも全てペイントワークに依るものです。

板金/下地/塗装/仕上げ、全てにおいてやり尽くした仕事に、
今回は大変ご満足していただけました。
その笑顔に作業した僕も大満足!やっぱり引渡しはこうでなくちゃ。

この瞬間があるから、大変な作業も頑張れるのです。